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AIが“普通”になった年、私たちは何を失い、何を手に入れたのか。
AIが“普通”になった年、私たちは何を失い、何を手に入れたのか。
LAYER 1 - 問いの整理

AIが“普通”になった年、私たちは何を失い、何を手に入れたのか。

思考の前提が、いつの間にか書き換えられていた一年を振り返る
2026.01.21

2025年、AIは「新しい技術」として語られる存在ではなくなった。
一部の専門家や好奇心の強い人だけのものではなく、
スマートフォンやSNSがそうであったように、
気づけば多くの人の生活や仕事の前提として組み込まれている。

ただ、その広がり方は少し違っていた。
熱狂やブームとしてではなく、
説明される前に、議論される前に、
静かに、そして想像以上の速さで浸透していった。

だからこの一年は、振り返りにくい。
変化は確かに起きているのに、
「何が変わったのか」を言葉にする前に、日常が更新され続けてきた。

ここでは、その変化を出来事として整理するのではなく、
思考の前提がどのように書き換えられてきたのかを確かめるために、
いくつかの問いを、静かに置いてみたい。

01

私たちは、どこで考えることを手放したのだろうか

この一年で、あなたが「考えなくなった」と後から気づく瞬間はあっただろうか。
調べもの、文章、判断、選択。
AIに任せたのは、効率のためだったかもしれないし、時間がなかったからかもしれない。

それとも、今この瞬間に、
本当に自分自身で考えていたのだろうか、と
ふと立ち止まった人もいるかもしれない。

この問いは、
自分が“考えなかった場面”だけでなく、
“考えなくてもよいと判断した場面”に、
あらためて目を向けるきっかけになる。

日常の中で、どこからが委託で、
どこまでが自分の思考だったのか。
その境界を、一度言葉にしてみるための問い。

02

判断は、どれくらい軽くなったのだろうか

AIが日常の中に溶け込んだことで、
あなたの判断のしかたには、どんな変化が起きていただろうか。

決めるまでの時間が短くなったり、
迷う回数が減ったと感じる場面もあったかもしれない。
その一方で、理由を言葉にする前に決断していた瞬間もあったのではないだろうか。

この問いは、判断の結果ではなく、
「どう決めたか」という過程に目を向けるためのものだ。

仕事や日常の小さな選択を思い返しながら、
そのとき、どんな手触りで判断していたのかを確かめてみたい。

03

この一年で、本当に変わったものは何だったのだろうか

この一年を振り返ったとき、
何かが変わった感覚はあっても、
それが何だったのかは、はっきり言えないかもしれない。

時間が増えたのか、減ったのか。
集中のしかたか、迷いの量か。
あるいは、考え始める前にあった小さな「間」だったのだろうか。

この問いは、
変化を評価するためではなく、
どこに起きていたのかを探るためのものだ。

変化は、目立つ場所ではなく、
いつもの流れの途中に潜んでいたのかもしれない。

04

生まれた余白は、何に置き換えられたのだろうか

AIによって、時間や思考にわずかな余白が生まれたとしたら、
その余白は、どこへ向かっていったのだろうか。

空いた時間は、
次の作業や別の予定で、自然に埋まっていったかもしれない。
あるいは、何かを考える前の静かな間として、
そのまま残っていた場面もあったかもしれない。

この問いは、
余白を増やせたかどうかではなく、
余白がどんな形で存在していたのかを見つめ直すためのものだ。

日常の隙間や、作業と作業のあいだを思い返しながら、
余白があったかどうかよりも、
余白が何に置き換わっていったのか。
そこに、この一年の手触りが残っている。

05

これから先、何を差し出し、何を残したいのだろうか

これから先、あなたはどんなことをAIに任せ、
どんなことを自分の手元に残しておきたいのだろうか。

すべてを委ねるわけでも、
すべてを自分で抱え込むわけでもない。
そのあいだにある距離感は、人によって、場面によって違っているはずだ。

この問いは、
一貫した答えを出すためのものではない。
その時々に、どこに線を引いていたのかを振り返るためのものだ。

仕事や私生活の具体的な場面を思い浮かべながら、
その線がどんな形をしていたのかを、またはこれからどんな線を引いていくのか確かめてみたい。

06

効率の外側で、それでも残したいものは何だろうか

効率や最適化が前提になった世界の中で、
それでもあなたが、遠回りしたいと感じる思考は何だろうか。

成果や速度では測れないもの。
時間がかかっても、自分で辿りたい過程。
すぐに答えが出なくても、そのまま抱えていたい問い。

この問いは、
生産性から一度距離を取って、
自分がどこに立ち戻ろうとしているのかを見つめるためのものだ。

学び方や、悩み方、考え方。
ごく個人的な場面と結びつけながら、
その思考が今も手元に残っているかを、静かに確かめてみたい。

それは、失われたものではなく、
まだ手放していないものかもしれない。

これらの問いに、答えを出す必要はない。
すべてに言葉を与えなくてもいい。

ただ、AIが「特別なもの」ではなくなった今、
自分の思考や判断が、
どこに置かれ、どこを通ってきたのかを
一度だけ振り返ってみる。

2025年を通過したあと、
あなたにとって「考える」とは、
どんな行為になっているのだろうか。

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