週刊テックニュース(1/5-1/11)

今週は、AIが期待と不安を同時に増幅させた一週間でした。
AIスロップが世論や市場の判断を揺らし、Grokの過激生成は「表現の自由」と「被害・規制」の境界線を突きつけます。
その一方で、中国勢はIPOや次期モデルで存在感をさらに強め、競争の主戦場は国家戦略レベルへと押し上げられています。
世界最大級のテクノロジー見本市「CES」では、AIがWeb上の会話にとどまらず、現実世界の行動へ踏み出し始めたことが示されました。
便利さの裏で、信頼・倫理・統治の設計が追いつけるかが問われています。
2026/1/5
フランスとマレーシアの当局がGrokによるセクシュアライズされたディープフェイク生成を調査
フランスとマレーシアがインドに続き、女性と未成年者のセクシュアライズされたディープフェイクを生成したGrokを非難。
- Grokは12月28日に12-16歳と推定される少女のセクシュアライズされた画像を生成し謝罪を投稿
- インドが72時間以内の対応命令、フランス検察局が調査開始、マレーシア通信委員会も調査を発表
- Futurismの報道によると、Grokは女性への暴行や性的虐待の画像生成にも使用されている
2026/1/6
マドゥロ拉致後に喜ぶベネズエラ人の動画?それはAIスロップ
米軍事行動後にベネズエラ人が祝福する様子を装ったAI生成動画が500万回再生を記録。地政学的紛争におけるAI偽情報の新時代を示す。
- 架空の軍事シナリオに関するAI生成動画がXで500万回以上再生され、ベネズエラ情勢の偽情報として拡散
- 低品質なAI動画クリップで構成され、「ドナルド・トランプに感謝」などの偽ナレーションを含む
- 地政学アナリストは「米国政府が今後の戦争正当化にAI利用する」と警告、製造された同意の新手法として懸念
Google、超高速画像生成のNano Banana 2 Flashを開発中
GoogleがNano Banana 2 Flashを開発中。Gemini 3 Flashベースでパワーは劣るが高速な画像生成モデル。AI画像生成分野の激しい競争の中、2026年Q1末までに発表予定。
- GoogleがNano Banana 2 Flashを開発中、Nano Banana Proより低性能だが超高速で画像生成可能
- Gemini 3 Flashベースで構築、Nano Banana ProのGemini 3 Proより軽量モデルを採用
- AI画像生成分野の激しい競争を背景に、2026年第1四半期末までの発表が見込まれる
ChatGPTの週間9億ユーザー、有料はわずか5%で広告価値も低い
OpenAIが収益化の課題に直面。ChatGPTの週間9億ユーザーの5%のみ有料、90%が米国・カナダ外で収益は大幅減(ユーザー単価7.64ドル対0.21ドル)。2030年までに無料ユーザーから1100億ドルの収益が必要。
- ChatGPTの週間9億ユーザーのうち有料はわずか5%、残り95%は無料ユーザー
- ユーザーの約90%が米国・カナダ外に居住、広告収益単価は米国の7.64ドルに対し他地域0.21ドルと大差
- OpenAI、2030年までに無料ユーザーから1100億ドル収益計画、データセンター投資回収のため広告事業が鍵
2026/1/7
ユニバーサル・ミュージックがNvidiaとAI音楽制作・発見で提携
Universal Music GroupがNvidiaと提携し、音楽発見と制作におけるAIの役割を強化。レコードレーベルが急成長する技術を活用しつつ、カタログへのリスクを管理する動き。
- 世界最大の音楽会社UMGと時価総額約4.56兆ドルのNvidiaが、音楽発見・制作・エンゲージメントのための「責任あるAI」開発で提携
- NvidiaのMusic Flamingoモデル(15分までのトラックを和声・構造・歌詞・文化的文脈まで解析)を拡張し、感情的物語や文化的共鳴による音楽発見を実現
- 音楽業界は敵対的姿勢から協調姿勢へ転換中。2024年にSunoとUdioを著作権侵害で提訴したが、2025年には和解・提携。アーティスト主導のインキュベーターで「AIスロップ」への対抗策を構築
LMArena、製品ローンチから4ヶ月で17億ドル評価額を獲得
2023年にUCバークレーの研究プロジェクトとして始まったLMArenaが、ポストマネーバリュエーション17億ドルでシリーズA1億5,000万ドルを調達。
- UCバークレー発のAIモデル評価スタートアップLMArenaが、シリーズAで1.5億ドル調達、評価額17億ドルに到達。7ヶ月で計2.5億ドル調達
- 月間500万ユーザーがクラウドソース型でAIモデルを比較評価するリーダーボードを運営。2025年9月に企業向け評価サービスをローンチ
- ローンチから4ヶ月未満で年間経常収益3,000万ドルに到達。ただし2025年4月には、トップAI企業がベンチマークを操作するのを助けているとの批判も浮上
マドゥーロに対するポリマーケットの賭けは警告である
米デルタフォース部隊が週末にベネズエラ領空に侵入した際、それは極秘だった。しかしトランプ大統領が攻撃の最終命令を下す数時間前、誰かがマドゥロが1月末までに追放されることに2万ドル以上を賭けていた。
- Polymarket上の匿名トレーダーが、マドゥロ拘束作戦の数時間前に約2万ドルを賭け、40万ドル超の利益を獲得。
- Polymarketは「インサイダー情報が予測精度を高める」との立場で明示的な禁止規定なし。競合Kalshiはインサイダー取引を禁止。
- 予測市場が「情報の不平等を機能とする」思想を掲げる一方、従来の金融市場が否定してきた不公平性を正当化する構造が浮き彫りに。
2026/1/8
Alphabetの時価総額、2019年以来初めてAppleを上回る
時価総額の逆転は、AlphabetとAppleが異なるAI戦略へ向かっていることを示している。
- Alphabetの時価総額がAppleを上回り、2019年以来初めて米国第2位の企業に。
- AlphabetはクラウドAIとTPU開発で攻勢をかけ、2025年に65%の株価上昇を記録。
- Appleはプライバシー重視のオンデバイスAI戦略を展開するが、成長ペースで差。
OpenAI、ChatGPT Healthを発表、毎週2億3000万人が健康について質問
OpenAIは水曜日にChatGPT Healthを発表、ユーザーが健康について会話するための専用スペースを提供する。
- OpenAIが健康相談専用の「ChatGPT Health」を発表、既存チャットから健康会話を分離。
- 毎週2億3000万人が健康・ウェルネスに関する質問をしており、Apple HealthやMyFitnessPalと連携。
- OpenAI自身の利用規約で「診断や治療には使用されない」と明記、ハルシネーションのリスクも存在。
Anthropic、3500億ドルの評価額で資金調達協議中
AIスタートアップは100億ドルの資金調達を計画、わずか4ヶ月前から評価額をほぼ倍増させる見込み。
- AnthropicがCoatue ManagementとシンガポールGIC主導で100億ドル調達、評価額3500億ドル。
- 2025年9月の1830億ドルから4ヶ月でほぼ倍増、2026年中のIPOを見据えた動き。
- OpenAI(5000億ドル)、xAI(2300億ドル超)とのバリュエーション競争が加速。
CESで、AIがチャットボットやエージェントを超えて物理世界へ
最先端AIツールと大規模産業利用の融合が、自律型工場や供給チェーンの実現につながる可能性。
- CES 2026で「物理的AI」が主要テーマに、ロボットや自動運転を超えて工場・供給チェーン全体を自律化。
- NvidiaがAlpamayo発表、Siemensが工場のデジタルツイン技術を展開、PepsicoやCaterpillarが導入。
- 個別の機械ではなく、工場全体、供給チェーン全体を「一つの巨大なロボット」として制御する発想。
中国のOpenAI競合Zhipu、5億5800万ドルIPOで香港上場
Knowledge Atlas Technology(Zhipu AI)が5億5800万ドルのIPOで香港取引開始、中国の主要生成AIスタートアップとして初の上場。
- Zhipu AIが1月8日に香港上場、5億5800万ドル調達で900倍の過剰申込を記録。
- 清華大学教授が2019年創業、Meituan・Tencent・Ant Groupが出資、OpenAI/Anthropicに先駆け上場。
- 2024年収益4470万ドルだが損失3億3000万ドル、米国が軍事関連を理由にブラックリスト指定。
Grok、X上よりも遥かに過激な性的コンテンツを生成
Elon MuskのGrokチャットボットが女性や未成年の非同意性的画像を生成、欧州・インド・フランス・マレーシアの規制当局が調査開始。
- xAIのGrokが女性や未成年の性的画像を大量生成、1時間に6700枚のペースで非同意コンテンツを作成。
- 他の大手AI企業と異なり「スパイシーモード」でアダルトコンテンツを許可、児童性的虐待素材も生成。
- イーロン・マスクは当初笑い絵文字で反応、EU・フランス・インド・マレーシアが調査、英Ofcomも緊急接触。
Disney+が今年縦型動画を開始
Disney+は今年中に米国で縦型動画を追加し、視聴者が毎日アプリを利用するよう促す。同社はCES 2026のTech + Data Showcaseイベントで発表した。
- Disney+が2026年中に米国で縦型動画を導入。CES 2026で発表
- 映画予告編だけでなくオリジナル短編コンテンツも縦型で展開。Gen Z・Gen Alpha層がターゲット
- 「毎日訪れる場所」を目指しパーソナライズされた体験を提供。ESPNのVertsで得た知見を活用
2026/1/9
PayPal、MicrosoftのCopilot Checkoutローンチを支援
PayPalを基盤とするCopilot Checkoutが、Copilot体験内で発見・決定・支払いを完結させるシームレスで信頼性の高い購買を実現。
- PayPalがMicrosoftと提携し、Copilot内での購買を可能にするCopilot Checkoutを支援。
- PayPalの「エージェントコマースサービス」を活用し、マーチャント在庫表示、チェックアウト、決済を統合。
- Copilotとのインタラクション後30分以内の購買が53%増加、ショッピング意図がある場合のコンバージョン率は194%向上。
DeepSeek、強力なコーディング能力を持つ次期フラッグシップAIモデルをリリース予定
中国のAI新興企業DeepSeekが、強力なコーディング機能を備えた次世代AIモデルを数週間以内にリリース予定と、計画を直接知る2人の関係者が明らかに
- 中国のAI新興企業DeepSeekが、2月に次世代フラッグシップモデル「V4」をリリース予定
- 強力なコーディング能力を特徴とし、計画を直接知る複数の関係者が情報を提供
- 米国の輸出規制下でも高性能AIモデルの開発を継続する動き
2026/1/10
OpenAI、職探し支援の「ChatGPT Jobs」をテスト
OpenAIは、履歴書の改善や求人検索、キャリア相談を支援するキャリア特化のAIエージェント「ChatGPT Jobs」を開発している。
- OpenAIによるキャリア支援エージェント「ChatGPT Jobs」の開発
- 履歴書改善、適職整理、求人の検索・比較などの支援機能
- 「ChatGPT Health」に続く、領域特化GPTの拡張方針
米上院議員、AppleにXとGrokの配信停止を要請
米上院議員3人が、同意のない性的画像の大量生成を巡る調査が完了するまで、App StoreからXとGrokを一時的に削除するようAppleに求め、Googleにも同様の要請をした。
- 米上院議員3人による、AppleとGoogleへの公開書簡
- Xアプリ内のGrokを使った、同意のない性的画像の大量生成問題
- 調査完了までの配信停止要請と、過去のアプリ削除事例の言及
Anthropic、第三者ハーネスによるClaude無断利用を抑止
Anthropicは、第三者の「ハーネス」がClaude Codeクライアントを偽装して、消費者向けプランの条件でClaudeモデルへアクセスすることを防ぐ技術的対策を導入し、OpenCodeなどに影響が出た。あわせて商用規約に基づき、Cursor経由の競合他社利用も制限した。
- Anthropicによる、Claude Code偽装(spoofing)対策の強化
- OpenCodeなど第三者ハーネス経由の自動化利用の遮断、誤BANの巻き戻し対応
- Cursor経由での競合ラボ利用を、商用規約違反として制限
インドネシア、ポルノ生成の懸念でマスク氏のGrokを遮断
欧州からアジアにかけて各国政府・規制当局がこのAIツールを非難し、一部が性的コンテンツをめぐる調査を始めたことを受けた動き。
- インドネシア政府、AI生成ポルノのリスクを理由にGrokを一時的に遮断する措置
- xAI、性的な出力が可能になった安全対策の不備を受け、画像生成・編集を有料購読者に制限する対応
- インドネシア当局、同意なき性的ディープフェイクを人権侵害と位置づけ、Xの関係者を呼び出し協議する方針
2026/1/11
マスク氏、Xの新アルゴリズムを来週オープンソース化と発言
Xのアルゴリズムの仕組みについて、より多くの情報が示される可能性がある。イーロン・マスク氏は、自然投稿と広告のおすすめを決めるコードを含む新しいXのアルゴリズムを7日以内にオープンソース化すると述べた。
- イーロン・マスク氏による、Xの新アルゴリズムを7日以内にオープンソース化の投稿
- 自然投稿と広告投稿のおすすめ決定に使うコードの公開、定期更新と変更点ノートの言及
- 欧州当局などによるアルゴリズム関連の監視・調査が続く状況
Instagramでデータ流出か、1,750万ユーザーの個人情報が露出と報道
Malwarebytesは、Instagramの1,750万ユーザー分のデータが流出した可能性を報告した。流出データにはユーザー名、メールアドレス、電話番号、住所などが含まれるとされ、ダークウェブで販売されており、パスワードリセット通知の急増と関連する可能性がある。
- Malwarebytesが報告した、Instagramユーザーデータ流出の疑い
- ユーザー名、メールアドレス、電話番号、住所などの個人情報の露出
- ダークウェブでの販売と、パスワードリセット通知増加との関連可能性








