週刊テックニュース(1/12-1/18)

先週のテック業界は「転換点」の連続だった。AppleがGeminiを採用しAI自社開発の限界を認めたこと、OpenAIが「ディストピア的」と批判していた広告モデルに舵を切ったこと、そしてAIエージェントが「会話」から「行動」へと進化を遂げたこと。これらは単なる製品アップデートではない。AI時代の覇権をめぐる戦略的撤退と攻勢が同時に起きている。Googleは一人勝ちの様相を呈し、OpenAIは収益化の壁と戦い、Anthropicは静かに足場を固めている。
今週のハイライト
AppleがGoogleと提携、GeminiでSiri強化
AppleとGoogleが複数年のAI提携を発表。次世代SiriとApple Intelligence全般にGeminiを活用し、Appleは年間約10億ドルをGoogleに支払う見通し。カスタムGeminiモデルは1.2兆パラメータで、Apple現行モデルの約8倍の規模となる。
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OpenAI、ChatGPTに広告導入

OpenAIは米国でChatGPTの無料版と月額8ドル(日本:1,500円)の「Go」プラン向けに広告テストを開始する。広告は回答下部に表示され、Plus以上の有料プランは広告なしを維持。18歳未満や健康・政治などのセンシティブな話題では非表示となる。
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Google Veo 3.1、縦型動画と4K対応
Veo 3.1が9:16縦型動画のネイティブ出力と4Kアップスケールに対応。YouTube Shorts、Geminiアプリ、YouTube Createで順次提供開始し、ショート動画市場への本格参入を示す。
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AIエージェント競争が本格化
Anthropic「Cowork」リリース
Claude Codeの成功を受け、非エンジニア向けにローカルファイル操作を可能にする「Cowork」を発表。macOSで特定フォルダへのアクセスを許可し、画像からのデータ抽出やレポート生成を自動化する。Proプランでも利用可能に。
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Slack、AIエージェント型Slackbotを一般提供
Most “AI at work” fails for one reason: no context.
Today we released a new feature in @SlackHQ called Slackbot. It uses your existing conversations, permissions, and flow of work to help you on that last mile to useful AI.
Slackbot is available now. pic.twitter.com/9Sdr8QlOW3
— Salesforce (@salesforce) January 13, 2026
AnthropicのClaudeを採用した新Slackbotが一般提供開始。会話・ファイル・カレンダーなどワークスペース全体を文脈として理解し、Google DriveやSalesforceなど外部サービスとも連携する。
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Google、AIエージェント向けEC規格「UCP」発表
代理店型ショッピング時代に小売業者が成功するための新しいテクノロジーとツール
Shopify、Walmart、Targetなどと共同開発した「Universal Commerce Protocol」を発表。Visa、Mastercardなど20社以上が賛同し、Google検索内で決済が完結する機能を米国で提供開始。
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OpenAIの収益化戦略
低価格プラン「ChatGPT Go」を全世界展開
日本では月額1,500円で提供開始。無料版比でメッセージ数・ファイルアップロード・画像生成の上限が10倍に拡大し、GPT-5.2 Instantへのアクセスを提供する。
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翻訳ツール「ChatGPT Translate」を公式発表なしで公開
50以上の言語に対応し、Google翻訳風の2パネルUIを採用。トーン調整機能からChatGPT本体への導線を設計している。
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AirPods対抗「Sweetpea」の噂
OpenAIが音声ウェアラブル「Sweetpea」を開発中とのリーク。2026年9月発売、年間4,000〜5,000万台の目標とされる。
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Google・Appleの動向
Gemini「Personal Intelligence」提供開始
Introducing a more personal Gemini, designed for you.
Personal Intelligence draws insights from across your @Google apps to provide truly customized responses from Gemini. Learn all about it below. 🧵
— Google Gemini (@GeminiApp) January 14, 2026
Gmail、Googleフォト、YouTube、検索履歴を横断参照し、パーソナライズされた回答を生成する機能を米国でベータ提供開始。Googleのデータ優位性をAI競争に直接活用する動き。
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Gemini 3の使用制限を分離・引き上げ
ThinkingとProモデルの制限を分離。AI Proプランでは1日300/100プロンプト、AI Ultraでは1,500/500プロンプトに設定された。
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Google AI Studio「Design Mode」準備中
UI要素を直接クリックして編集できる機能が近日リリース予定。プロンプトの曖昧さを排除する設計。
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Apple「Creator Studio」サブスク開始
Meet Apple Creator Studio: giving creators of every kind easy access to powerful, intuitive tools for video, music, imaging, and productivity, all supercharged by intelligent features that speed up and elevate their work. pic.twitter.com/UrOlzQTGRo
— Greg Joswiak (@gregjoz) January 13, 2026
Final Cut Pro、Logic Pro、Pixelmator Proなどを月額1,780円で使い放題に。1月29日開始。
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医療AI・開発ツール
AI大手3社が1週間で医療分野に一斉参入
OpenAI(ChatGPT Health)、Anthropic(Claude for Healthcare)、Google(MedGemma 1.5)が相次いで医療ツールを発表。いずれも「診断目的ではない」と明記し、日本での提供時期は未定。
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Replit、自然言語でiOSアプリ開発・公開が可能に
プロンプトのみでiOSアプリを作成し、3クリックでApp Storeに申請できる機能を発表。Stripe連携でアプリ内課金にも対応。
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規制・安全性
xAI、Grokの実在人物性的画像生成を禁止
国際的な規制圧力を受け、実在人物の性的画像編集を技術的に禁止。画像生成機能を有料会員限定に変更し、カリフォルニア州は同日xAIへの調査を発表。
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世界で加速する「16歳未満SNS禁止」
オーストラリアの法施行から1ヶ月で470万アカウントが削除。英国・フランス・EUも追随の動きを見せ、プラットフォーム規制が世界的に拡大している。
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エンタメ
TikTok、マイクロドラマアプリ「PineDrama」公開
約1分の縦型エピソードで構成される連続ドラマ専用アプリを米国・ブラジルで公開。広告なしで視聴可能。2025年末に米国で2,800万人がマイクロドラマを視聴している。
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総括
先週のニュースが問いかけているのは、「AI時代の主導権は誰が握るのか」という根本的な問いだ。
AppleはAI開発を諦め、OpenAIは理想を諦め、Googleは全方位で攻勢をかけている。AIエージェントが「代わりに行動する」時代が始まり、医療やコマースといった実世界への浸透が加速している。一方で、xAIのGrok問題やSNS年齢制限の動きは、技術の進化に社会がどう追いつくかという課題を浮き彫りにしている。
あなたは、AIが「あなたの代わりに」行動する未来をどこまで許容するだろうか?








