Block、業績好調のまま4000人を切る——市場が「24%高」で応えた構造の意味

Blockが従業員1万人超のうち約4000人——約40%——の解雇を発表した。業績は好調で、利益成長の最中にある。理由はAIだ。ジャック・ドーシーは「インテリジェンス・ツールが会社の構築と運営の意味を変えた」と述べ、「より小さく、より速い、インテリジェンス・ネイティブな企業」への転換を宣言した。市場はこの決定を24%の株価上昇で迎えた。同じ週、ソフトウェア株全体では1.6兆ドルの時価総額が蒸発している。
Executive Brief
Contents ——公式発表・一次情報
we're making @blocks smaller today. here's my note to the company.
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today we're making one of the hardest decisions in the history of our company: we're reducing our organization by nearly half, from over 10,000 people to just under 6,000. that means over 4,000 of you are…
— jack (@jack) February 26, 2026
Summary ——何が起きている?
- Blockは従業員1万人超のうち約4000人(約40%)を解雇すると発表した。
- ジャック・ドーシーは社内メモで「インテリジェンス・ネイティブな企業」への転換を理由に挙げた。
- 発表後、Block株は24%上昇した。
- 同週、ソフトウェア株全体で約1.6兆ドルの時価総額が消失した。
Perspective ——TECHTECH.の視点
この株価の動きを見て、ある違和感を整理しようとしている。
Blockの業績は好調だった。利益は成長していた。にもかかわらず1万人超から4000人を切り、株価が24%上がった。市場が評価したのは何か。AIによる生産性向上の「実績」ではない。ジャック・ドーシーが示したのは「インテリジェンス・ネイティブな企業」という構想であり、まだ実現していない未来だ。つまり市場は、AIの成果ではなく「人を減らすという経営判断そのもの」に値段をつけた。
これは新しいインセンティブ構造の出現を意味する。かつて大規模解雇は「業績悪化の結果」だった。投資家は解雇を「痛みの指標」として読んだ。だが今、解雇は「AI活用の証拠」として読まれ始めている。業績が好調であっても——いや、好調だからこそ——人を減らす決定が「経営の先見性」として評価される。
同じ週にソフトウェア株全体で1.6兆ドルが蒸発した事実が、この構造をさらに際立たせる。市場は「AIに置き換えられる側」の企業価値を削り、「AIで置き換える側」の企業価値を積み増している。先日配信したAnthropicのClaude Code Securityがサイバーセキュリティ株を一斉に崩した構造と同じだ。AIの影響が株価に織り込まれる速度は加速している。
ただ、引っかかるのは別の点だ。先日配信した記事で、BlockがAI利用を全社員に義務化し、10%の人員削減と並行して進めた結果、社員のモラルが「4年間で最悪」に低下していると伝えた。その6日後に、今度は40%の大規模解雇だ。ジャック・ドーシーは「インテリジェンス・ツールが会社の構築と運営の意味を変えた」と語った。だがBlockのAI活用が4000人分の生産性を実際に代替できるかどうかは、まだ誰も検証していない。市場は「AIで人を減らせる」という物語に投資している。その物語が実現しなかったとき、解雇された4000人は戻らない。株価は修正できる。雇用は修正できない。この非対称性を、市場の効率性という言葉で正当化できるのかどうか、まだ判断がつかない。

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