新しい分野を学びたい。でも時間がない。ChatGPTに聞けば早いが、嘘が混ざっていないか不安になる。本を読む時間も、セミナーに出る余裕もない。

NotebookLMは、この問題を解決するGoogleの無料AIツールだ。

自分が信頼するソースだけを読み込ませ、そこからしか回答しない。ハルシネーション(嘘を本当かのように生成すること)の心配がない。しかも、音声で聴く、マインドマップで俯瞰する、対話で深掘りするなど、自分の学習スタイルに合わせて使い方を選べる。

この記事では「AIの基礎知識」を題材に、NotebookLMで専門分野を学ぶ手順を解説する。同じ方法で、法律、会計、業界知識、新しいツールの使い方など、どんな分野にも応用できる。

この記事でできるようになること

タイミング できるようになること
30分後 NotebookLMにソースを投入し、自分の学習スタイルに合った形式でアウトプットを生成できる
2時間後 学習内容を自分の言葉で説明できるレベルになる。このプロセスを他の専門分野にも応用できる

30分後:

  • NotebookLMにソースを投入し、自分の学習スタイルに合った形式でアウトプットを生成できる

2時間後:

  • 「AIとは何か」を自分の言葉で説明できるレベルになる。このプロセスを他の専門分野にも応用できる

結論

NotebookLMは「正しい情報源から、短時間で、自分に合った方法で学ぶ」ための最適解だ。

向いている人:

  • 新しい分野を短時間で理解したい人
  • ハルシネーションが怖くて、AIに学習を任せられなかった人
  • 通勤時間や隙間時間を学習に使いたい人
  • 体系的に全体像を掴んでから詳細に入りたい人

向いていない人:

  • 最新情報をリアルタイムで追いたい人(ソースを自分で用意する必要がある)
  • そもそも良質なソースを探す時間がない人

結論として、「信頼できるソースさえ用意できれば、学習効率は劇的に上がる」と言える。

ソースはNotebookLM上で検索もできるため、「なにを学習したいか」だけ整理されていればすぐに開始できる。

注意点として、アウトプットされるスライドや音声は、一部日本語に違和感があるところがあるが、たまに発見する「誤字脱字」程度。学習においてはそこまで気になるものではない。

最終アウトプット

今回、NotebookLMで「AIの基礎」を学習した結果、以下のアウトプットが得られた。

機能 アウトプット 用途
音声解説 約15分のポッドキャスト風音声 移動中のながら学習
マインドマップ AIの全体像を可視化した図 構造的な理解
インフォグラフィック 要点を1枚にまとめた画像 サクッと概要把握
レポート 詳細な解説文書 じっくり読みたいとき
チャット チャットで会話 疑問の即時解消
フラッシュカード 単語カード 学習の定着確認
クイズ 4択クイズ 学習の定着確認

※アウトプットされたファイルは以下に記載。

具体的な使用方法と手順

1. ソースを選定・収集する(担当: 人間)

学びたい分野について、信頼できる情報源を集める。NotebookLMは投入されたソースからしか回答しないため、ソースの質が学習の質を決める。

ソース選定の基準:

  • 公式ドキュメント、公式ブログ(一次情報)
  • 信頼できるメディアの解説記事
  • 書籍(PDFやGoogle Docsにしたもの)
  • 専門家のブログやホワイトペーパー

今回、私は「AIの基礎」を学習するために、AIモデルをリリースするGoogleやOpenAIなどの論文を中心にソースを集めた。論文と聞くと難しそうだが、「arXiv」というサイトでは無料で読める。

またNotebookLM上でソースが検索したり、Google検索やChatGPTなどのAIツールで情報を探しても良い。

新しい専門分野を最速で学ぶ|NotebookLMで"使える知識"に変える手順

注意点:

  • ソースは複数あったほうが多角的に学べる(5本以上を推奨する)

対応しているソース:

  • URLを直接入力
  • テキストのコピペ
  • YouTubeのURL
  • Googleドライブのファイル(Googleスライド、スプシ、ドキュメント)
  • 各種ファイル(音声、画像、PDF、Wordファイル)

新しい専門分野を最速で学ぶ|NotebookLMで"使える知識"に変える手順

2. NotebookLMにソースを投入する(担当: 人間)

NotebookLMにアクセスし、新しいノートブックを作成してソースを追加する。

  1. NotebookLMにアクセス
  2. Googleアカウントでログイン
  3. 「ノートブックを新規作成」をクリック
  4. 「ソースを追加」から収集したソースを追加

新しい専門分野を最速で学ぶ|NotebookLMで"使える知識"に変える手順

 

ソースが読み込まれ、左側のパネルにソース一覧が表示される。右側には各種機能(音声解説、マインドマップなど)のメニューが表示される。

新しい専門分野を最速で学ぶ|NotebookLMで"使える知識"に変える手順

注意点:

  • ソースの読み込みには数十秒かかる
  • 大きなPDFは読み込みに時間がかかる場合がある
  • ソースが多すぎると処理が重くなる
  • 対応しているファイル形式でも、読み込めないファイルがある(著作権など)

3. 学習スタイルに合った機能を選択し、アウトプットを生成する(担当: AI)

ここがNotebookLMの真価を発揮する部分だ。自分の学習スタイルに合わせて機能を選ぶ。

右側のメニュー(Studio)から取得したいアウトプットをクリックするだけ。生成には数秒〜数分かかる。

新しい専門分野を最速で学ぶ|NotebookLMで"使える知識"に変える手順

学習スタイル別のおすすめ:

学習スタイル おすすめ形式 特徴
移動中に耳で学びたい 音声解説 ポッドキャスト風。2人の会話形式で聴きやすい
まずは全体像を掴みたい マインドマップ 概念の構造と関係性を可視化
短時間で要点だけ知りたい インフォグラフィック 1枚の画像で要約
じっくり読んで理解したい レポート 詳細な解説文書を生成
スライドで段階的に学びたい スライド資料 プレゼン形式で情報密度高め

【音声解説を生成する場合】

  1. 右側メニューから「音声解説」をクリック
  2. 生成を待つ(1〜3分程度)
  3. 再生ボタンで聴く。ダウンロードも可能

注意点:

  • ソース情報が少なすぎるとアウトプットが簡素になる
  • 同時生成に対応
  • 複数の機能を組み合わせて学習するのは効果的(例:マインドマップで全体像→レポートで深掘り)

4. 生成されたアウトプットで学習する(担当: 人間)

生成されたアウトプット(音声、マインドマップ、レポートなど)を開いて学習する。

シーン 使う機能
通勤電車の中 音声解説を聴く
机に向かえる時間 マインドマップで全体像を確認→レポートで詳細を読む
隙間時間(20分) スライド資料で視覚的に読む
隙間時間(5分) インフォグラフィックで復習

音声解説:2人のラジオパーソナリティによる音声解説

音声解説は、詳細な解説・概要を短く・評論によるフィードバック、議論など会話の展開を設定できる。また、ソースの中からどの部分に焦点を当てるかも指定可能。

マインドマップ:概略図を整理

NotebookLMで出力したマインドマップ

レポート:文章でソースの中身を整理。

スライド資料:横長のスライド資料で視覚的に解説

データ:テーブル形式でデータにして整理。スプシに出力可。

インフォグラフィック:一枚の絵で概略を整理

NotebookLMで出力したインフォグラフィック

縦向き・横向き・正方形のレイアウト、簡潔・詳細の学習の深さ、色やスタイルなども指定可能。

5. チャットで深掘り・疑問を解消する(担当: 人間・AI)

学習中に生まれた疑問を、チャット機能で即座に解消する。

チャット欄に質問を入力するだけ。ソースに基づいた回答が返ってくる。

新しい専門分野を最速で学ぶ|NotebookLMで"使える知識"に変える手順

プロンプト例:

  • 生成AIと従来のAIの違いを、初心者にもわかるように説明してください
  • このソースに書かれている「ハルシネーション」とは何ですか?なぜ起きるのですか?
  • AIを業務に導入する際のリスクを3つ挙げて、それぞれの対策を教えてください

チャットではソースに基づいた回答が返ってくる。「どのソースのどの部分に基づいているか」が引用として表示されるので、ソース自体が信頼できるものであれば情報も安心して学習できる。

注意点:

  • 質問の仕方によって回答の質が変わる。具体的に聞くほど良い回答が得られる
  • 「なぜ?」「具体的には?」と深掘りしていくことで理解が深まる

6. フラッシュカード/クイズで理解度をチェックする(担当: 人間)

一通りの学習を行ったら、内容が定着しているか、フラッシュカードやクイズで確認する。

右側メニューから「フラッシュカード」または「クイズ」を選択。自動生成された問題に答える。

フラッシュカード:用語とその説明がカード形式で表示される。めくって確認

NotebookLMで出力したフラッシュカード

カードの枚数、難易度、どの部分から出題するかなどを指定可能。

クイズ:選択式の問題が出題される。正解/不正解がわかる

NotebookLMで出力したクイズ

質問の数、難易度、クイズにする出題範囲、どんな目的のクイズにするかなどを指定可能。

注意点:

  • 間違えた問題は、チャットで再度質問して理解を深める
  • 時間を置いて再度チェックすると定着度がわかる

評価

項目 評価 コメント
コスト ★★★★★ (5/5) 完全無料。Googleアカウントがあれば即座に使える
クオリティ ★★★☆☆ (3/5) ソース次第。ハルシネーションがない点は大きな強みだが、日本語の精度は85点
使いやすさ ★★★★☆ (4/5) ソースを入れて機能を選ぶだけ。直感的で迷わない
汎用性 ★★★☆☆ (3/5) 法律、会計、技術、業界知識などあらゆる専門分野の学習に使えるが、その範囲を超えない
難易度 ★★★★★ (5/5) 非エンジニアでも即座に使える。プログラミング知識は一切不要

使用ツール・コスト / 所要時間

  • コスト: 無料
  • 所要時間: 約 20 分

編集者あとがき

実際に「AIの基礎」をNotebookLMで学んでみた。

正直、最初は「Youtubeを見たほうが早いのでは」と思っていた。しかし、通勤中に音声を聴き、マインドマップで全体像を確認し、チャットで疑問を潰していく、という流れを試してみると、想像以上に頭に入った。Youtubeだと誘惑や広告表示があるため学習にはノイズが多すぎる。

特に良かったのは「チャット」だ。本を読んでいて「ここ、どういう意味?」と思っても、そのまま読み進めてしまうことが多い。NotebookLMなら、その場で聞ける。しかも、ソースに基づいた回答だから信頼できる。これは「問いを立てる力」のトレーニングにもなった。

一方で、ソースの選定が全てだとも感じた。質の低いソースを入れれば、当然アウトプットも質が落ちる。「何を学ぶか」だけでなく「どこから学ぶか」を考える習慣がつくのは、副次的なメリットかもしれない。

次は、会計の基礎をNotebookLMで学んでみようと思っている。決算書の読み方を、信頼できる書籍とIR資料から学ぶ。同じ手順でいける。

ジョン

Author

ジョン

techtech.club 編集長。メディアで起業し、元はスタートアップのプロダクトマネージャー。一度テクノロジーに賭けて挫折した。その経験がいまの生き方や考え方、事業の起点になっている。ここで書くのは答えではない。投資・キャリア・事業など専門家でなくても自分の頭で判断するための材料と視点。読者に教えるのではなく、一緒に考える側にいたい。