Blockが従業員1万人超のうち約4000人——約40%——の解雇を発表した。業績は好調で、利益成長の最中にある。理由はAIだ。ジャック・ドーシーは「インテリジェンス・ツールが会社の構築と運営の意味を変えた」と述べ、「より小さく、より速い、インテリジェンス・ネイティブな企業」への転換を宣言した。市場はこの決定を24%の株価上昇で迎えた。同じ週、ソフトウェア株全体では1.6兆ドルの時価総額が蒸発している。
Block(旧Square)はジャック・ドーシーの株主向けレターを通じて約4000人——従業員1万人超の約40%——の解雇を発表し、AIを活用した約6000人の少数精鋭体制への移行を表明した。
業績不振ではなく「AIで代替可能」という理由での大規模解雇に市場が報いる構造は、今後の経営判断に「人を減らすインセンティブ」を組み込む可能性を示唆している。
発表翌日にBlock株は24%上昇し、「AI駆動の人員削減=企業価値向上」という市場の評価パターンが、業績好調企業にも適用されることが示された。
Overview
- Blockは従業員1万人超のうち約4000人(約40%)を解雇すると発表した。
- ジャック・ドーシーは社内メモで「インテリジェンス・ネイティブな企業」への転換を理由に挙げた。
- 発表後、Block株は24%上昇した。
- 同週、ソフトウェア株全体で約1.6兆ドルの時価総額が消失した。
市場が買っているのはAIの生産性ではなく「人を減らす意思」だ
この株価の動きを見て、ある違和感を整理しようとしている。
Blockの業績は好調だった。利益は成長していた。にもかかわらず1万人超から4000人を切り、株価が24%上がった。市場が評価したのは何か。AIによる生産性向上の「実績」ではない。ジャック・ドーシーが示したのは「インテリジェンス・ネイティブな企業」という構想であり、まだ実現していない未来だ。つまり市場は、AIの成果ではなく「人を減らすという経営判断そのもの」に値段をつけた。
これは新しいインセンティブ構造の出現を意味する。かつて大規模解雇は「業績悪化の結果」だった。投資家は解雇を「痛みの指標」として読んだ。だが今、解雇は「AI活用の証拠」として読まれ始めている。業績が好調であっても——いや、好調だからこそ——人を減らす決定が「経営の先見性」として評価される。
同じ週にソフトウェア株全体で1.6兆ドルが蒸発した事実が、この構造をさらに際立たせる。市場は「AIに置き換えられる側」の企業価値を削り、「AIで置き換える側」の企業価値を積み増している。先日配信したAnthropicのClaude Code Securityがサイバーセキュリティ株を一斉に崩した構造と同じだ。AIの影響が株価に織り込まれる速度は加速している。
ただ、引っかかるのは別の点だ。先日配信した記事で、BlockがAI利用を全社員に義務化し、10%の人員削減と並行して進めた結果、社員のモラルが「4年間で最悪」に低下していると伝えた。その6日後に、今度は40%の大規模解雇だ。ジャック・ドーシーは「インテリジェンス・ツールが会社の構築と運営の意味を変えた」と語った。だがBlockのAI活用が4000人分の生産性を実際に代替できるかどうかは、まだ誰も検証していない。市場は「AIで人を減らせる」という物語に投資している。その物語が実現しなかったとき、解雇された4000人は戻らない。株価は修正できる。雇用は修正できない。この非対称性を、市場の効率性という言葉で正当化できるのかどうか、まだ判断がつかない。
考える問い
- 「AIで代替可能な業務」と「AIでは代替できない業務」の境界を、あなたの職場では誰がどのような基準で判断しているか。
- Block以降、業績好調企業がAIを理由に大規模解雇を行うケースが続くとすれば、それを「効率化」と呼ぶか「市場圧力による雇用破壊」と呼ぶか。
- 解雇された4000人の側から見たとき、「インテリジェンス・ネイティブな企業」という言葉はどう聞こえるか。その視点は経営判断に織り込まれるべきか。
報道記事・ソース
公式発表・一次情報
we're making @blocks smaller today. here's my note to the company.
####
today we're making one of the hardest decisions in the history of our company: we're reducing our organization by nearly half, from over 10,000 people to just under 6,000. that means over 4,000 of you are…
— jack (@jack) February 26, 2026
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