生成AIプラットフォーム競争において、GoogleがOpenAIを猛追している。Gemini 2.5の投入以降、開発者からのAPI利用が急増し、エンタープライズ市場でも存在感を高めている。Alphabetは2025年3Qに史上初の四半期売上1000億ドルを達成し、AI事業がその成長エンジンとなった。2月4日の決算発表を控え、GoogleはAIビジネスの具体的な数字を明らかにする構えだ。

GoogleがGeminiに「Personal Intelligence」を追加、Googleアプリのデータを横断してパーソナライズ

事実 何が起きたか

Google Gemini APIのリクエスト数は2025年3月の約350億回から8月には約850億回へと5カ月間で2倍以上に急増し、Gemini Enterpriseは1500社以上で800万人の登録者を獲得した。

読み解き なぜ重要か

クラウド売上34%成長の背景にあるのは、モデル性能だけでなく、Google Workspaceとの統合による「AIが組み込まれた業務環境」という新たな競争軸である。

影響 何が変わるか

Gemini 2.5はすでに運用コストベースで黒字化しており、GoogleはAI APIビジネスにおいてOpenAIに対抗しうる商業的実績を示し始めた。

Overview

  • Gemini APIリクエストは2025年3月の約350億回から8月の約850億回へ、5カ月で2.4倍に増加した。
  • 成長の契機はGemini 2.5のリリースで、同モデルはR&D費用(研究開発費)を除く運用コストベースで黒字化を達成した。
  • Gemini Enterpriseは1500社以上、800万人の登録者を獲得し、さらに100万人がオンラインで登録した。
  • 企業ユーザーの評価は分かれており、リサーチやドキュメント作業には好評だが、専門タスクやカスタムアプリ開発には課題が残る。
  • Googleは2026年2月4日の決算発表でGemini事業の詳細な数字を公開する予定。
この数字が示すのは、AIプラットフォーム競争のフェーズが「モデル性能」から「事業統合」へ移行しつつあるということだ。Gemini 2.5の「運用コストベースでの黒字」という表現は慎重に読む必要がある——R&D投資を含めれば依然として赤字である可能性が高い。しかしより重要なのは、GoogleがWorkspace、検索、Cloudという既存のエコシステムにAIを織り込むことで、「AIを使う」のではなく「AIが組み込まれた環境で働く」という体験を提供し始めていることだ。OpenAIが単体のAIサービスとして勝負するのに対し、Googleは業務環境そのものを書き換えようとしている。この構図は、かつてのブラウザ戦争を想起させる。

考える問い

  • GoogleとOpenAIの競争において、最終的に勝敗を分けるのはモデル性能か、それとも配布チャネルか。

報道記事・ソース

なべ

Author

なべ

techtech.club 編集長。メディアで起業し、元はスタートアップのプロダクトマネージャー。一度テクノロジーに賭けて挫折した。その経験がいまの生き方や考え方、事業の起点になっている。ここで書くのは答えではない。投資・キャリア・事業など専門家でなくても自分の頭で判断するための材料と視点。読者に教えるのではなく、一緒に考える側にいたい。