できるようになること
30分後
- 「収集」「統合」「分析」で異なるAIを使い分ける思考法が身についている
- その実践として、ローカルビジネスにおける競合比較分析レポートが手に入る
この先ずっと使えること
- 「このタスク、どのAIに任せるべきか」を自分で判断できる
- 競合リサーチ以外のタスク(企画書作成、営業準備、業界研究)にも同じ思考法を応用できる
最終アウトプット
この記事で得られるものは2つある。
1. AIの使い分けフレームワーク
- 収集 → Perplexity + Gemini
- 統合 → Claude
- 深堀り → Gemini Deep Research
- 分析・レポート化 → Claude
この使い分けはTECHTECH.が実際に使用して良いと判断するもので、人それぞれ好みは分かれる。が、このようなフレームワークを構築する思考は、その他にもそのまま転用できるはずだ。
2. 競合分析レポート(具体的な成果物)
今回の事例として、ペットトリミングサロンの競合分析レポート(Word/Google Docs形式)を作成する。
含まれる内容:
- 調査概要(対象エリア、業種、調査日)
- エリア全体の傾向
- 競合比較表(価格帯、評価、SNS活動、強み・弱み)
- 各社の詳細プロフィール
- 注目すべき競合とその理由
- 自社への示唆

以下よりドキュメントファイルの確認ができる。
結論
AIには得意領域がある。
| AI | 得意なこと | 今回の役割 |
| Perplexity | Web横断の情報収集、ソース明示 | 競合リストアップ |
| Gemini | Googleデータ(マップ、口コミ)へのアクセス | リストアップ+深堀りリサーチ |
| Claude | 情報の構造化、比較分析、文章生成 | 資料マージ、比較表、レポート作成 |
「収集はPerplexity + Gemini、分析はClaude」という役割分担には必然性がある。
単一のAIに丸投げすると、情報収集が浅い、分析が浅い、ソースが曖昧——このどれかが起きる。AIの性能やモデル、学習データにも左右される。複数を組み合わせることで、これらのリスクを分散できる。
この使い分けの思考法を理解すれば、他のタスクでも「どのAIをどこで使うか」を自分で設計できるようになる。
具体的な使用方法と手順
- 競合リストアップ(Perplexity + Gemini)
- リストのマージ・精査(Claude)
- 深堀りリサーチ(Gemini Deep Research)
- 情報統合・比較表作成(Claude)
- 分析レポート作成(Claude)
ここからは、実際に手を動かしながら「使い分け」を体感してもらう。
事例として「ペットトリミングサロン」の競合リサーチを行う。業種や地域を変えれば、そのまま自分のビジネスに応用できる。
重要なのは手順を覚えることではなく、「なぜこの工程でこのAIを使うのか」を理解すること。そして、AIを複数使い分けるという発想だ。
手順はやや複雑に見えるが、やっていることは「ツールの画面を切り替えながらコピペをするだけ」だ。
競合リストアップ(Perplexity + Gemini)
まずは、対象エリアの競合を網羅的にリストアップする。
PerplexityとGeminiでは、参照するデータソースが異なる。実際にテストしたところ、片方にしか出てこない店舗があった。両方使うことで漏れが少なくなる。
なぜPerplexityを使うのか:
- Google検索に変わるAI検索ツールとして存在感を高めている
- Web検索に特化されたAIツールのため
- 広い範囲から検索結果をリサーチできる
- 無料でも利用可能
Perplexityへのプロンプト:
神奈川県横浜市港南区上大岡付近にあるペットトリミングサロンをリストアップしてください。
以下の情報を含めてください:
- 店舗名
- 住所
- 営業時間
- 定休日
- 特徴(簡潔に)対象エリア:港南区上大岡から車で15分圏内も含む

期待される結果:
- 10〜15店舗程度のリスト
- 住所、営業時間、簡単な特徴が含まれる
- マップ表示で位置関係も確認できる
出力されたデータ:

なぜGeminiを使うのか:
- Googleが開発したAIのため、Googleマップのデータに強い
- 評価(星の数)とレビュー数を取得できる(Perplexityでは取れないことがある)
- Perplexityと参照ソースが異なるため、両方使うことで漏れが減る
Geminiへのプロンプト:
神奈川県横浜市港南区上大岡付近にあるペットトリミングサロンをリストアップしてください。
以下の情報を含めてください:
- 店舗名
- 住所
- Googleマップの評価(星の数とレビュー数)
- 営業時間
- 特徴(簡潔に)

期待される結果:
- Googleマップベースのリスト
- 評価とレビュー数が含まれる(Perplexityでは取れないことがある)
出力されたデータ:

注意点:
- 「半径10km」のような厳密な距離指定は難しい。「車で15分圏内」「〇〇区周辺」のような指定の方が実用的
- 閉店・移転している店舗が含まれる可能性がある(工程2で精査)
リストのマージ・精査(Claude)
次に、2つのAIの出力を統合し、重複を排除した精査済みリストを作る。ここではClaudeを使う。
なぜClaudeを使うのか:
- 複数のデータソースを統合し、構造化する作業が得意
- 「重複排除」「情報の不一致を明示」といった指示を正確に実行できる
- 主要AI(ChatGPT、Gemini、Claude、Grok)の中でテキスト処理の精度が高い(TECHTECH.の所感)
Claudeへのプロンプト:
添付は、2つのAI(PerplexityとGemini)でリストアップしたペットトリミングサロンの競合リストです。
これらをマージして、重複を排除した統合リストを作成してください。
出力形式:
- 店舗名
- 住所
- 営業時間
- 定休日
- Googleマップ評価(あれば)
- 特徴補足:
- 同一店舗と思われるものは統合する
- 同じ店舗でも情報が異なる場合(営業時間、定休日など)は「要確認」と記載
- 情報が不足している項目は「要確認」と記載

期待される結果:
- 重複排除された統合リスト
- 情報の不一致箇所が明示されている
出力されたデータ:

注意点:
- PerplexityとGeminiで営業時間が異なるケースがある。どちらが正しいかはこの段階では判断せず、「要確認」としておく
- リストが15社を超える場合は、Googleマップ評価や立地で上位5〜10社に絞ることを推奨
深堀りリサーチ(Gemini Deep Research)
まだ浅いリサーチしかできておらず、ファクトチェックもできていないため、リストアップした競合の詳細情報を収集する。
ここでは再度Geminiを使うが、「Deep Research(ディープリサーチ)」という手法を使う。
なぜGeminiを使うのか:
- Googleマップの口コミ情報に強い
- 複数店舗を一括で調査できる
- 料金表、SNS、差別化ポイントまでWeb検索を幅広く取得できる
ディープリサーチとは、AIが自律的にWeb検索を行い、通常のAI検索よりも多いソースを分析・統合してリサーチを行う。デメリットは時間がかかることで、今回は5分ほどかかった。
Gemini Deep Researchへのプロンプト:
以下のペットトリミングサロンについて、それぞれ詳細を調査してレポートを作成してください。
【調査対象】
- 添付したファイルを参照する【各店舗について調べる項目】
- 料金体系(主要サービスの価格帯)
- Googleマップの口コミ要約(良い点・悪い点)
- SNSの有無と更新頻度(Instagram、X、Facebookなど)
- Webサイト・ブログの充実度
- 他店との差別化ポイント
- その他特徴【出力形式】
店舗ごとにセクションを分けて、上記項目を整理してください。---
「※ここに出力された結果を貼り付ける」

期待される結果:
- 各店舗の詳細プロフィール
- 口コミの良い点・悪い点が要約されている
- SNS活動状況が把握できる
出力されたデータ:

注意点:
- Deep Researchは処理に数分かかる。待ち時間を想定しておく
- 料金表が取得できない店舗もある。「要確認」または「Webサイトに記載なし」と出力される
情報統合・比較表作成(Claude)
ディープリサーチで調査した情報を構造化し、比較可能な形に整理する。資料マージ同様、Claudeを使う。
Claudeへのプロンプト:
添付は、ペットトリミングサロンについて調査した詳細情報です。
この情報をもとに、以下を作成してください。
1. 競合比較表
以下の軸で比較する表を作成:
- 価格帯(例:低/中/高、または具体的な金額レンジ)
- Googleマップ評価(星の数)
- 口コミ数
- SNS活発度(高/中/低/なし)
- 強み(1-2個のキーワード)
- 弱み・注意点2. 各社の1行サマリー
各店舗を1-2文で端的に説明出力形式:マークダウン

期待される結果:
- 競合を横並びで比較できる表
- 各社の特徴が一目でわかるサマリー
出力されたデータ:

分析レポート作成(Claude)
最後に、調査結果を「使えるレポート」として仕上げる。この最終アウトプットが成果物だ。仕上げもそのままClaudeで行う。
Claudeへのプロンプト:
ペットトリミングサロン競合調査の結果を添付しました。
これらをもとに、競合分析レポートを作成してください。
【レポート構成】
1. 調査概要(対象エリア、対象業種、調査日、調査社数)
2. エリア全体の傾向(価格帯の相場、サービスの特徴、競争環境)
3. 競合比較表
4. 各社の詳細プロフィール
5. 注目すべき競合(上位2-3社)とその理由
6. 自社への示唆(検討ポイント、差別化の方向性)【出力形式】
- Word/Google Docsにそのまま貼り付けられる形式
- 見出し、箇条書き、表を適切に使用
- 専門用語は避け、経営者が読んでわかる文章で

期待される結果:
- そのまま社内共有や提案資料として使えるレポート
- 単なる情報の羅列ではなく、示唆と検討ポイントが含まれている
出力されたデータ:

実際にアウトプットされたドキュメントファイルは以下よりダウンロードができる。
これでリサーチからレポート作成まで完了だ。
応用編:別業種でも同じワークフローが使える
業種を変えてもワークフローはそのまま使える。次は「パーソナルジム」で行ってみる。
変更点:
- プロンプト内の「ペットトリミングサロン」を「パーソナルジム」に置き換え
- 調査項目を業種に合わせて調整(例:料金体系→月額/回数券、トレーナーの資格、体験の有無など)
最終的なアウトプット:

以下よりアウトプットの質を確認できる。
評価

編集者あとがき
AIも万能ではない。個性がある。それは性能なのか、得意不得意なのか、AI開発者の思想なのか。
今回のワークフローで実感したのは、「AIの特性を理解して役割を分ける」ことの効果だ。私が複数AIを使った所感は以下。
- Perplexityは、Web上の情報を幅広く拾ってくる。速い
- Geminiは、Googleのデータに強い。マップの口コミ情報はここで取る
- Claudeは、集めた情報を整理して、読める形に仕上げる。構造化が得意、人間向けのアウトプット
これは競合リサーチに限った話ではない。企画書を作るとき、レポートを書くとき、営業準備をするとき、記事を書くとき——「収集」と「分析」と「仕上げ」を分けて考えると、どのAIをどこで使うべきかが見えてくる。
最終的なアウトプットのみを考えるのではなく、そこに行き着くまでのステップを洗い出して、そこにAIを割り当てていく。これまで人間がやってきた仕事と同じやり方だ。
AIを1つに絞るのではなく、複数のAIを「チーム」として使い分ける。自分は監督として、全体を設計し、最終判断を下す。この働き方が、少人数で回す人にとっての新しい標準になると思う。
ニュースを消費せず、思考に変える習慣。
一人の限界を超えるための、テックメディア。



















