米国の半導体輸出規制強化を受け、中国のAI企業は国産チップへの移行を加速させている。2025年1月に米商務省のエンティティリストに追加された智譜AIは、同年8月にHuaweiのAscendプロセッサ対応を発表。先週の香港IPO直後となる今回の発表は、国産チップのみで最先端マルチモーダルモデルの訓練を完遂した初の事例として、中国の技術自立戦略における重要な節目となる。

Overview

  • 智譜AI(Z.ai)が画像生成モデル「GLM-Image」をオープンソースで公開した
  • HuaweiのAscend Atlas 800T A2チップのみで訓練された初の最先端マルチモーダルモデルである
  • 9Bパラメータの自己回帰モジュールと7Bパラメータの拡散デコーダを組み合わせたハイブリッド構造を採用している
  • 発表を受け、智譜AIの株価は17%上昇し、中国の半導体関連銘柄も軒並み上昇した
これは単なる技術発表ではなく、米中AI競争における「技術主権」の実証である。輸出規制が中国のAI発展を遅らせるという前提に対し、智譜AIとHuaweiは「迂回ではなく代替」が可能であることを示した。

考える問い

  • 輸出規制は中国のAI産業を抑制しているのか、それとも国産エコシステムの発展を加速させているのか。
  • オープンソース戦略は、閉鎖的な西側テック企業に対する中国AI企業の競争優位となり得るか。
  • 技術自立を掲げる国家戦略と、グローバルなオープンソースコミュニティへの参加は、長期的に両立可能か。

報道記事・ソース

なべ

Author

なべ

techtech.club 編集長。メディアで起業し、元はスタートアップのプロダクトマネージャー。一度テクノロジーに賭けて挫折した。その経験がいまの生き方や考え方、事業の起点になっている。ここで書くのは答えではない。投資・キャリア・事業など専門家でなくても自分の頭で判断するための材料と視点。読者に教えるのではなく、一緒に考える側にいたい。